第34回 2007年秋の講演会 〜担当運営委員の声〜
〜会場のお花は運営委員の一人が季節や先生のイメージにあわせて準備をしています。〜
10月3日
伊藤 遊(作家)
「私の物語」
生まれ育った京都で祖母から聞いた昔話が作者の体にしみこみ、伊藤先生のファンタジーの世界ベースになっていると思える子どもの頃のお話。それとともに、一つの作品を作りあげるには一人ではなくいろいろな人が関わってより素晴らしい作品となっているということを知り、一冊の本の重みとそこに関わった人々の思いを、これからはほんの少しでもうけとめていければ、と思いました。
10月11日
児島 なおみ(絵本作家)
「作りたい絵本がいっぱい!」
児島先生の絵本にある不思議なスパイス! 洋風でありながらほのかに和風! 講演をしていただきそのスパイスの理由が少しわかった気がしました。
あこがれの児島先生と話した担当Kは夜興奮して眠れませんでした。
10月30日
さくま ゆみこ(翻訳者・アフリカ子どもの本プロジェクト代表)
「アフリカの子どもたちと子どもの本 − 翻訳の現場から」
幅広い分野の翻訳を手がけられていますが、アフリカの子どもたちを取り巻く状況を伺いました。
悲惨な紛争も多い中で綺麗な色彩と明るい内容の絵本や豊かなリズムの音楽は印象的でした。「ほーら、これでいい!」(リベリア民話)は特に楽しい絵本です。
11月8日
浜口 哲一(平塚市博物館館長)
「子ども達と楽しむ浜辺の漂着物」
「漂着物を拾う会」という自然観察会のお話をうかがいました。浜辺には、海からだけではなく、山の木の実が、人が町に捨てたゴミが、川を下って漂着します。観察を長く続けることで、自然の変化、町や人の暮らしの変化まで知ることができます。身近な生き物の観察を続けることがもっと広い世界を知ることにつながっていることを教えていただきました。またの機会に別の演題で、楽しいお話をいっぱいお聞きしたいと思いました。
(浜口氏は2010年5月、ご病気のためご逝去されました。ご冥福をお祈りします。)
11月22日
時田 史郎(元絵本編集者・福音館書店前社長)
「昔話絵本と昔話ー『そばがらじさまとまめじさま』の編集経緯に沿って」
横浜の街を眺めながら打合せ中の事。大事な絵本の一つ、たくさんのふしぎ「ある都市の歴史ー横浜330年」は時田氏の手によるものと知りました。この本を超える横浜案内本には出会っていません。影ながら本作りを支える編集者の仕事は本当に格好いいと思いました。
秋田出身の運営委員に昔話の原文の朗読を、とアイデアを出してくださった時田氏はやはり名編集長さん!当日は最高の臨場感を演出できました。